尊敬する人物を深く深く観察しよう

先日ふと大学時代のことを思い出したことがありました。

それは英語の授業でのことだったのですが、先生から突然「尊敬する人は誰?」という質問がありました。英語の授業なのに。
私たち生徒からはいろんな回答があって、「豊臣秀吉」などの戦国武将をはじめとした歴史上の人物や、「本田宗一郎」などの近代史の人物(これは私の答え)。そして「父親」などのごくごく身近な存在を上げている人など様々でした。

そして一通り聞いた後で先生がおっしゃったのは「歴史上の人物を尊敬する人物としてあげるのはどうかと思う」ということでした。
「その人の偉業などは今まで伝えられたものからしか知ることができず、人物像などは美化されているものがほとんどである。」と言ったような内容だったかと思います。

なぜ私の印象に残っていたかというと、私も同意見だったからです。
例えば戦国武将に関して言うと、戦に勝てば賞賛されます。なので戦に敗れた他の戦国武将を尊敬する人物に挙げる人はマイノリティなのではないでしょうか(ただし最近は歴史ブームで詳しい人が挙げる場合があります)。

また場合によっては権力を使って自分のことを良いように伝聞されることもできるでしょう。
その時は気づきませんでしたが、現在ではそのことはよくわかります。最近ミサイルをよく撃っているあの国の情報がよく入ってきますから。近代史でもそうなのだから、戦国時代とかになるとなおのことだと思うのです。

『尊敬』とは『憧れ』である

そもそも『尊敬』とはどういう意味なのでしょうか?
念のために国語辞典で調べてみることにしました。

そんけい【尊敬】①相手をすぐれているとみとめ、あこがれること。「私の−する人物」②相手を重んじて、失礼のないようにすること。うやまうこと。「−語・−表現」
(三省堂国語辞典第七版より)

とあります。
そこで注目すべきは「相手」と書かれている部分だと思います。
相手と言えるのは、自分が接したことのあるような身近な人だと解釈することもできます。
同じ組織に属していたり、ライバルだったり。そんな図式が頭に浮かびます。

そして「あこがれること」ともあります。
そうなのです。尊敬=憧れでもあるのです。

あこが・れる【憧れる・憬れる】①自分が理想とする身分や状態になりたい、また、そこへ行きたいと強くのぞむ。「歌手に−・山に−」②恋心(コイゴコロ)を抱く。
(三省堂国語辞典第七版より)

憧れはあくまで身分や状態である

このように憧れとは「理想とする身分や状態になりたい」ということなのです。
だけどこれを勘違いしてしまうと、少しおかしなことになります。

憧れの対象を観察し、その対象の所作や言葉遣いを研究することでその存在に近づくことができる。
これはNLP™️では「モデリング」として紹介されています。

ですがこの「モデリング」を「理想とする身分や状態になりたい」ではなく、「○○さんになりたい」という目的でしてしまうと、モノマネ止まりとなってしまいます。
ここが要注意なのです。

憧れの対象が人物だったとして、その人物のどんなところに憧れたのでしょうか?
見た目や動きや声などだけならモノマネでも十分なのでしょうが、それ以外の言葉に表せない・目に見えない部分に憧れたのであればより深く考えるべきです。

例えばある有名な人気歌手に憧れたとします。あのように心を揺さぶるような歌が歌いたいというように憧れたとします。
そこで一生懸命声や歌い方や衣装を観察しても、それだけではただのコピー。ただの「歌手」です
これらのことだけでなく、例えばファンに対する気遣いや仕事に対する取り組む姿勢などから滲み出る人間性まで感じ取ることによって「人気歌手」に近づくことができるのです。
このことが大切なことなのです。

あなたにも「尊敬する人物」はいると思います。
ならば一面を切り取るだけでなく、深く観察し、深く知ろうとしていくことで人に近づいていくことができます。
そっくりさんで終わってしまわないように、深く深くを心がけていきましょう。

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