視線から相手の心を読むって簡単なことではありません

書店に並ぶ心理学の本では、「視線から相手の心を読む方法」が記載されていることがあります。
特に『モテる』というキーワードを前面に出したものでは「女性の心を読む」と言い換えられているものが多いですね。
あとは「嘘を見破る」というキーワードのものも多いと思います。

これを視線解析と言いますが、NLPでは『アイ・アクセシングキュー』と言います。
調べてみると恋愛心理学やマーケティング心理学なるものでも視線解析は使われていますが、これらはこの『アイ・アクセシングキュー』から発展したものと僕は捉えています。

例えばイラストにするとこんな感じになります。
アイ・アクセシングキュー

このイラストは相手を見たときのものです。すなわち自分の目線の場合は逆になります。
『アイ・アクセシングキュー』では視線の動きを大きく6つに分けています。
ではそれぞれ説明していきます。

A=視覚的創造(未来)
これは視覚的に創造する時に視線が動く方向です。
例えば描く前にどんな絵を描くのか考えたりする時に視線がこの方向に動きます。
B=聴覚的創造(未来)
耳にしたことない声や音、言葉などを創造する時に視線が動く方向です。
面接をイメージして面接官の質問を予想したりする時もそうですし、自分がどのような回答をするかシミュレーションする時にもこの方向に視線が動きます。
(自分が話す言葉も自分の耳に入ってくるからです。)
C=体感覚
過去未来関係なく触覚・嗅覚・味覚をイメージする時にはこの方向に視線が動きます。
食べた料理を思い出す時も料理を食べる前に香りや味をイメージする時も同様です。
D=視覚的過去
過去のことをビジュアル的に思い出す時にこの方向に視線が動きます。
怒っている奥さんの顔を思い出す時などがそう。
僕?怒られている時は顔を見ないようにしているので記憶にございません(笑)。
E=聴覚的過去
過去に耳にした声や音、言ったことや言われたことを思い出す時にこの方向に視線が動きます。
「若大将が『幸せだなあ』の後に何言ってったっけ?」と思い出す時などはこの方向です。
F=内部対話
口に出さずに自分の心の中で対話している時にこの方向に視線が動きます。
「落ち着け!」と自分に言い聞かせたり、「やっちまったな」と失敗を悔いていたりするとこの方向に視線が動きます。

基本は上記の通りです。
ですが当然個人差はあります。左利きの人は逆になることが多いと言われています。ちなみに僕もそうです。

嘘を見分ける方法としては、過去のことを聞かれて答えているのに向かって右側(D・E)ではなく向かって左側(A・B)に視線が動いている時は嘘をついている時と言われています。

「昨日どこ行ってたの?」
「映画見てたよ。」
「どんな映画?」
「えーっと…。」

この時に相手の視線が向かって左側に動いている時は創造しながら語っていると判断できます。
すなわち、

見てもいないものを語ろうとしている=嘘

という可能性が高いです。
これが嘘を見破る方法です。

ただし視線の動きには個人差があるので要注意です。
例えば左利きの人は視線の動きが逆になる人が多いと言われています。左利きのはしくれの僕もその一人。

もし上記に書かれた事をそのまま鵜呑みにする人がいたら、僕が嘘をついてもバレないでしょう。
その反面、本当のことを言っていても嘘つきのように思われるんだろうな…。あーつらい。

そうならないためには、核心に迫る質問の前に相手の視線のクセを確かめる必要があります。
通常の会話の中でしっかりと相手の話を聞き、観察してみましょう。
思い出話をするときにはどちらに視線が動くのか?夢を語るときはどっちだ?
きっとクセが見えてくるようになります。

そういう態度で接していると、相手が無意識にアナタを信頼するかもしれません。It’s ラポール。
そうなるとよりアイ・アクセシングキューのテクニックが使いやすくなるでしょう。
まあそういう関係になったら、相手も嘘をつく必要もないのかもしれないですけど(笑)。

まあ言いたいのは、アイ・アクセシングキューはシンプルなテクニックだけど、付け焼き刃ではできないということ。
テクニックを本や人から聞いただけでは、人の心なんてそんな簡単には読めない。テクニックを使う前にやるべきことはあるのです。
だから人と人とのコミュニケーションって面白いのかもしれませんね。

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