残業について記事を書いた途端にこのニュース

先日、残業について記事を書いてみましたが(『残業に関しては労働者の立場は弱いよね』http://ad-just-ment.com/blog/blog/20170123/)、その途端にこんなニュースが。

『残業規制へ法改正提言=上限を設定、例外余地も−厚労省検討会』(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012300585&g=eco

国としてもようやく腰を上げたという(姿勢を見せている)ところでしょうか。
本気で取り組んで行くぞ!(と見せかけている)ように思いますね。いいことだと思います(本気であれば)。

ですが、こんなニュースもありました。
『残業上限「月80時間」に向けて調整、サビ残や裁量労働制への不安は払拭されず』(エキサイトニュース)
http://www.excite.co.jp/News/it_g/20170125/Buzzap_40843.html

完全週休2日制だとしたら、毎日4時間くらい残業しても容認されるということになります。
天国のいかりや長介さんが聞いてたら「だめだこりゃ」っていうと思います。

あの『モーレツ社長』として有名なあの日本電産の永守会長兼社長が、2020年までに1000億円を投資して残業をゼロにしようとしているのと比べると、情けない話だと思います。

『日本電産・永守会長「残業代が減っても年収は下がらない」』(日刊工業新聞)
http://newswitch.jp/p/7601

突然の路線変更に驚きが隠せませんが、世界に通用する競争力を身につけるには『効率』だと気づいたのはさすがだと思います。

私が以前から不思議に思っていること

法改正もけっこうですが、私が以前から不思議に思っていることがあります。
今回のニュースでも『経済界に配慮』とありますけど、『なぜ残業を前提とした経営になっているのか?』ということです。

『残業しないと企業が成り立たない』ということは、利益を上げるためには勤務時間が8時間では足りないということ。
店舗でいうところの営業時間が長くないといけない、ということだと思うんですよ。

私が勤務していた会社ではサービス残業が横行していたからその考え方はわからなくはないです。
残業すればするほど正規に支払うべき時間外手当分の利益になるわけですから。ああセコいセコい。
「定時間内は外で営業して、定時間後に帰社してから事務作業をするのが営業マンとしては当たり前」なんて堂々という会社もありました。正直アホちゃうか?と思ってました。

だけど時間外手当はしっかりと支払わなければなりません。
営業手当やみなし残業手当の名目のもとに月に1〜2万円つけている会社が多いと思いますが、それらの手当じゃまかないきれない時間外労働をさせているところがほとんどだと思うんですよね。
そんなことをしている企業ほど企業競争力が弱い。
地方の会社ほどその傾向は強く、地方企業が弱いのはそれも影響しているんじゃないかなと推測しています。

定時と営業時間の両方を設定する

先述したような「8時間営業して残りの時間は事務作業」という会社だと、おおよそ10時間勤務するイメージだと思います。
すなわち毎日2時間時間外労働をしているということになるわけです。その時点で残業は抑制できませんよね。

そうなると勤務時間に対する考え方を変えるしかありません。
テーマはサービス業のように『定時と営業時間の両方を設定する』こと。
(ここで言う『営業時間』とは会社のオフィスや事業所がオープンしている時間とします)
その考え方をいくつか列記していきたいと思います。

定時を厳守する

企業によって定められているのが定時。例えば9時始業18時終業のように定められているように思います。
ならばその時間外は会社を閉めるように考えれば対応できると思います。
営業時間外は電話は留守番電話にするとか。

「そんなことをしたら、営業時間外の発注に対応できないじゃないか!」

と言う人もいるでしょうけど、それって女房に「酒屋が閉まってたら叩き起こして買ってくりゃいいだろ!」と言ってる亭主と違いはありません。
スーパーが閉店していればあきらめるように、顧客にもあきらめてもらうしかありません。

このやり方で運営している例としては岐阜県にある未来工業が挙げられます。
創業者の故山田昭男氏の著書を見るといい参考になると思います。

2シフト制にする

これは製造業などが実施している勤務形態ですが、2シフトにするのもアリだと思うんですよね。
9:00〜18:00まで勤務(早番)の人と、11:00〜20:00まで勤務(遅番)の2シフト。
そうすると確実に労働時間は守りやすくなるんじゃないかと思うんです。
早番の人がそのまま居残って残業をしてしまうという声もあると思いますが、そこはビタッと帰らせるのが大事です。

このやり方だと6時間早番と遅番が同居する時間があるので、引き継ぎなどもできる(はずです)。
営業職の人などは、会社が2シフトに取り組んでいることを顧客に周知徹底しておけば問題ないと思います。
逆に周知徹底できない営業職は営業スキルが低いのでは?

スーパーフレックス制度にする

裁量労働制に取り組もうとしている日本では、このやり方がスマートかもしれません。
単純に労働時間をタイムカードで管理し、その他はそれぞれのスタイルで勤務してもらうというもの。
スーパーフレックス制度なので、普通のフレックス制度とは異なりコアタイムもなしです。

ただし会社を開け閉めする必要はありますから、それは当番制で定める必要があります。
なので2シフトと同様に定時とは別の営業時間を定める必要があります。

月に160時間勤務とするならば、その範囲内で自由に働く。
1日10時間働いた日があれば、1日6時間で上がる日があってもいい。
有給休暇を取得せずとも勤務することもできるので、より従業員にとっては働きやすい働き方になると思います。

そもそもが「定時内は勤務しなければならない」って法律はないわけですよ。仕事が早く終われば早く帰ればいいんです。
成果を出していれば労働時間が少ないからと言って給料を削るのはナンセンスでしょ。
成果主義を導入している企業が多いのに、給与規定は勤務時間主義というダブルスタンダードが招いている不具合だとも言えます。
(もちろん旧来の年功序列による給与体系であれば致し方ないですが)

一般企業もサービス業の発想を

こう考えると、サービス業のように会社が変わっていくことも大事じゃないかなあと思います。
先述しましたが、サービス業では24時間営業でない限り開店している時間が定められています。
百貨店が年始に休業することが好意的にとらえられているいるのだから、企業もそろそろ考える必要があるのではないでしょうか。

もちろん顧客によって柔軟な対応は必要だと思います。顧客のオンタイムとあまりにも乖離があるようでは意味がありません。
例えば顧客が飲食店などであれば夜間に対応しなければなりません。なのに始業時間を8時などに設定していれば、確実に残業が発生します。

私が知っているひどいケースでは飲食店向けのコンサルティング会社のケース。
定時が9:00〜18:00なので、飲食店に対応しようとするとどうしても遅い時間になってしまい、実際の働き方は長時間労働がはびこっていました。
「フレックス制度とかはないんですか?」と質問したところ、「経営者が9:00から朝礼をするのでない」という回答でした。

正直こんな柔軟性のない経営者がするコンサルティングってどうよ?レベル低そうじゃないですか(笑)。
顧客第一は、「顧客のために身を削る」のではなく、「顧客のためになるサービスを提供する」という基本的なことを再確認してほしいですね。

「顧客のために身を削る」という考え方は「能力がない」ことの裏返しですから。

そう考えると定時を意識するよりも、小売店のように営業時間で考えることが必要だと思います。
定時だと8時間しか時間がとれませんが、営業時間だともう少し時間がとれます。
働く人に残業させずに利益を上げるには、これも一つの手だと思いますよ。

こんなこと書いてたけど

てなこと書いてましたけど、その後政府の動きがこのように報道されました。

『残業上限、月平均60時間=繁忙期は100時間-政府調整』(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012800107&g=eco

結局のところ、国は残業の抑制に力を入れてないんだろうなという印象。
ということは、日本経済が国際的な競争力を身につけるには民間企業の経営者次第ということが確定。
自分の身を守るには法律知識や働き方に対するマインドを武器に、自分自身で守るしかない。
このように感じます。

ますます、力を入れていかないとなと気合が入ってきました。

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