『承認欲求』をなめてはいけない

人間の数ある欲求の一つに『承認欲求』というものがあります。
すなわち他人から認められたい。認めてもらいたい。という欲求のことです。
この欲求が強くなればなるほど…、

「認められてない!」
「存在自体が認められてない」
「相手にされてない」
「無視されている」
「私は孤独だ」

というように発展していってしまうこともあるので、恐ろしい欲求でもあります。
仲間とのケンカの原因や退職理由、離婚のきっかけとなったり最悪の場合は自分で死を選ぶ引き金にもなってしまいかねない欲求。こわいこわい。

ある新婚家庭をモデルにしてみる

この『承認欲求』が強すぎる人の特徴として挙げられるのが、「相手のことを見ているようで見ていない」ということです。
NLPで言うところの「キャリブレーション」が不足しているのです。

例えばということで事例を挙げてみましょう。

新婚の妻は夫に喜んでもらうために、一生懸命料理の腕を振るいます。メニューは彼の大好物であるカレー。
長時間煮込んで肉の旨みが存分に出た欧風ビーフカレーを晩ごはんのテーブルに出しましたが、夫は残してしまいました。

そこで妻はよりいいお肉を使い、さらに材料にもこだわり、さらに長時間煮込んでおいしくなったビーフカレーを作りました。
だけど夫は残してしまいました。

なぜ?大好きなはずなのに?

そう思いながら、ならばもっとおいしくなるようにとブランド牛を使い、お米もブランド米を使い、手間もお金もかけたビーフカレーを作りましたが…、夫は残してしまいました。

妻は泣きながら「どうしてなの?味は悪くないでしょう?私の料理じゃ不満なの?あなたに喜んでもらおうと一生懸命頑張ったのに!」と問いただしました。

夫から帰ってきた言葉は「俺、ダイエット中なんだよ」。
なんのこたあない。ダイエット中だったから高カロリーなカレーは食べきれないだけだったという話でした。チャンチャン。

たかだかカレーごときで悲しい気持ちになってしまう

このようなケースはよくある話ではないでしょうか。
妻が悲しい気持ちになった原因を考えてみると…、

・最初にカレーを残した時に理由を聞かず、カレーの味をさらにおいしくすることを考えてしまったこと

ではないでしょうか。

なぜ最初にカレーを残した段階で夫に理由を聞かなかったのか?
なぜカレーを残したことを自分の料理の技量だと思ってしまったのか?
なぜ誰にも相談せずに自分の努力だけで解決しようとしたのか?

以心伝心はあくまで理想

結局のところ、この妻はひとりよがりだったのではないかと思うわけです。
ひとりよがりで考えて、相手の意向に沿わない行動をとっているにもかかわらず、その行動に全力を出してしまって行き詰まった。
そう思います。

コミュニケーションの理想は、言葉を交わさずに心が通じ合うこととも言われます。
そのような関係性のことを表す言葉として、以心伝心とか阿吽の呼吸とかツーカーの仲とかいろいろありますけど、本当にそんな関係性が築けるのでしょうか?
それは簡単なことではありません。ていうかほぼ無理。

付き合っている期間の長さも濃さも必要ですし、何より大切なのは「相手のことをよく見る」ということ。
相手のことをよく見て、わからなければヒアリングしたりしてもいいから、相手のニーズを理解しようとすることが大切なのです。
これは先の事例のような家庭でのことだけでなく、学校や仕事の中でも共通のものだと思います。

そしてこのことに気づいていなかった「認められてない」人は、やっかいなことに「認められてない」と思う人ほど、自分一人でなんとかしようとしてしまう努力家で、だけど報われないことに傷ついてしまう人とも言えます。
努力家な分だけその傷の度合いは大きいのではないかと思うのです。

相手に興味を持つことが「認められる」第一歩なのですよ

ですから「認められてない」と思う前に、認めて欲しい相手にあなた自身が興味を持っていたのか?
「相手がどう思っているのか?」
「相手が何を求めているのか?」
を理解しようとしていたのかを考えてみてください。

そうすると自然と「キャリブレーション」するようになっていきます。
見た目だけでなく言語からのサインも受け取るようになり、相手の考えていることが伝わって来やすくなります。

もしあなたが「キャリブレーション」せずに、出来る範囲の精一杯のことをしたとしても、相手が求めていないことであればありがた迷惑です(厳しい言い方ですが)。
それほど力を入れなくても相手は満足するかもしれませんし、あなたのことを認めてくれるかもしれないのですから。

ひとりよがりで苦しんでしまうのはもうやめましょう。
人間は一人では生きていけません。必ず関係する相手がいます。コミュニケーションをとることが必要不可欠です。
そしてコミュニケーションは相手あってのことなのです。

コミュニケーションをとる相手に興味を持つこと。
それが承認欲求を満たす最初の一歩なのです。

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