こんな会社に転職はやめとけ! 〜「そして父になる病」〜

先日秋山木工なる会社の、ある制度が波紋を呼んでいましたね。
それは「丁稚制度」。この時代にこの制度。そりゃ波紋を呼ぶことは間違いないです。
ネットで見つけた記事を貼り付けようと思っていましたが、もう削除されていました…。
その経緯についてはこの記事が詳しいです。

「秋山木工」めぐりWiki編集合戦 「丁稚制度」が呼ぶ波紋(J-CASTニュース)
http://www.j-cast.com/2016/10/11280334.html

・まず入社すると5年間は寮生活。
・寮に入ると5時起床23時就寝。
・食事など身の回りのことは丁稚がする。
・入社後は男女問わず全員丸刈り。
・携帯電話・パソコンは禁止。私的な連絡手段は手紙のみ。
・休みは盆と正月以外のみ。
・恋愛は「絶対禁止」。

などと箇条書きにしてみると…、そりゃ叩かれるわね。
寮生活に関してはPL学園野球部があれだけ叩かれていた内容と似ているし、女性でも丸刈り(入寮1年間のみ)を強制するのはフェミニストが叩くでしょう。
休みは盆と正月のみというのはブラック企業に敏感になっている人は叩くだろうし、恋愛禁止はアイドルが丸坊主をしたのを見て憤慨した人が叩くでしょう。
これだけ叩くであろう人が多様化しているんだからしょうがないってものでしょう。

私もこのような制度を好みません。だから自分は行きたくありません。
丁稚制度にもいいところがあるのはわかってますし、似たところでは芸事などでよく見られる徒弟制度などもいいところがある制度だと思っています。

だけどそれって師匠次第だと思うんですよ。師匠がよほど人間的に立派でなければ成り立たない制度だと思うんです。
人間の本質って1回会っただけではわからないものだと思いますし、求人広告などだけではなおのこと。その情報だけで自分の人生をかけるのはかなりのギャンブルのようにも思うわけです。

そして厄介なのは、まるで親代わりを気取った経営者が関わってくるということ。
なんとなくですが、自分の親以外の他人が自分を我が子のような扱いをするということになじめないでいるのです。
私が耳にしたところでは、給料から一定額をその従業員名義の定期預金にするため天引きするなんて事例もありました。
テレビでは美談として取り上げられていたのですが、私の印象は「給料は自由に使わせろよ」というものでした。

自身の経験から照らし合わせてみると、ある企業に勤務していたときのことを思い出します。

とある資格を取得しようとしてその企業で勤務することにしたのですが、その企業では資格を取得することを好まない風潮がありました。
今考えれば「こいつが資格を取って独立でもされたら自分のところの売り上げが減る」という不安が代表者にあったのだと思うんです。実際に同僚からもそのようなことを教えられたので確信に変わったわけですが。

それはまだいい。

残業をいくらしても代表者の承認がないと手当てがつかない。聞けば残業申請なるものを前日までに提出せねばならないらしく、突発的な残業は自動的にサービス残業。
おまけに申請したとしても承認されたケースはほとんどないらしい。「それは能力がないからだ」の一言で片付けられるのです。

そして室内には盗聴器がしかけてあって、常に会話を録音しているという噂もありました。
実際に実験してみたところ、代表者の奥様が飛び込んできたので噂が確信に変わりました。

そして業務以外の業務も非常に多かったです。
お盆休みの間には読書感想文を書くことを義務付けられたり、清掃活動という名目で事務所内だけでなく代表者の持っている畑の草引きをさせられたり。
資格を取得するという夢も、独立開業するという夢も見れないままに、そんな丁稚奉公をしていました。

そしてやめる決断をしたのは、風邪で休んだだけで診断書の提出を求められたこと。たった1日休んだだけで。
その時はあまりにも辛かったので、母親に欠勤の連絡をしてもらったのですが(私がしておくわと言ってくれたので)それが気に食わなかったらしい。

確かに母親に連絡をさせた私の甘さもあったかもしれませんが、いきなり診断書を提出させようとするところに腹が立って、元から尊敬の念をまったく抱けなかったこともあって、すぐ退職しました。

代表の奥様には可愛がっていただいていたので退職の挨拶に行ったのですが(盗聴器のせいかもうすでに知ってたけど)、その時に言われたのがこのお言葉。

「あの人はあなたのお父さんの代わりになろうとしてたみたいなのよ」

はああああ?

高校時代に父を亡くした私のことを気にかけてくれたのはありがたいことだけど、それは余計なお世話ってもんですよ。
第一、尊敬の念を少しも抱けない父親ができてうれしいわけがない。おせっかいなおっさんでしかない。
おまけに立場は経営者と従業員という関係なのだから逆らえるわけもない。
ホント、卑怯な父親ごっこですわ。

父性が強すぎたのか。
自身の子供への子育てでできなかったことをやり直そうと思ったのか。

私はこのような経営者を「そして父になる病」だと名付けています。
仕事には人間的な成長が必要ではあるのですが、関わり方を間違うとうざったくて仕方ありません。実の親とだって良好な関係を築けない場合もあるのですから、他人であればもっと難しいことだと思います。

また会社は会社。プライベートはプライベート。24時間365日会社にいるような生活では、自分の人生ではなくなってしまうと私は思うのです。
こんな企業は避けたほうがいい。

だけどそれが魅力という人もいるでしょう。
「面倒見がいい」、「親身になってくれる」などの印象を抱く人もいるかもしれませんし、それはそれで正しい。

PL学園野球部だろうと、AKBだろうと、苦しい中でも夢見る目標が明確で強いものであれば当人にとっては問題のないことだと思うのです。
嫌なら行かなきゃいいし、入った後でも嫌ならやめりゃいいんですから、簡単なことではないですか。逆に入った後で経営者を父親のように思うくらいになることもあるでしょうから。

周りの外野は悪ノリのように騒いでもいますが、従業員当人が充実した生活を送っているのであればブラック企業ではないのですから。
(秋山木工の従業員がどう思っているかまではわかりませんが)

まあ、私と似たような考え方の人は、「そして父になる病」に冒されている経営者のもとでは働けないでしょうね。
ならば、こんな会社に転職はやめとけ!

もし転職するか否かでお悩みなら、お気楽にご相談ください。敷居を低くしてお待ちしております。

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